ピロリ菌は、いまや生活習慣病といってもいいほどポピュラーなものとなっています。そして、近年その治療方法も確立されてきました。しかし、一旦除菌治療を行っても、再発したらそれは非常に怖いことです。ここでは、ピロリ菌感染の再発についてご紹介していきます。

人間ドックの効果

医療機関でのピロリ菌治療は、薬剤による徹底的な除菌を行います。X線写真しかし、そのなかでも図らず除菌が成功しない例があります。なぜ除菌しない例が現れるのでしょう。

それは、薬をしっかりと飲んでいないというケースが多いためです。ピロリ菌の除菌には抗菌剤と呼ばれる抗生物質を使用していきます。長期にわたって抗生物質を内服すると、必ず耐性菌ができてしまうことがわかっているため、短期間で最大の効力による治療を実施していきます。しかし、飲み忘れなどで中途半端に抗生物質を内服していると、薬物濃度が低く菌が完全に死滅しないまま耐性菌が生まれてしまうのです。

また、実際に目に見えない細菌であるからこそ、検査上では陰性となり除菌に成功したように見えても、潜在的に保菌していたり炎症がみられたりするケースがあります。

これらのアフターケアをしっかりと行っていくためにも、人間ドッグはもってこいです。人間ドッグのよい点は、ピロリ菌だけでなく、他の慢性疾患も合わせて可能性が探れることです。これがピロリ菌感染にどう関係してくるのかというと、単純な胃や十二脂腸の炎症がピロリ菌によるものか、生活習慣によるものか、はたまた他の疾患によるものかを特定しやすいということです。現在は除菌自体は保険適応内で安価に実施できますから、再発を起こさないよう、また治療が成功しているかを、定期的にチェックしていくことが大切なのです。










飲酒や喫煙と再発は関係ある?

飲酒や喫煙は、ピロリ菌感染の再発に大いに影響があります。通常除菌が終了した場合、体内から一粒も残さず菌が死滅していると考えるのはいささか早計かもしれません。ピロリ菌の特徴である慢性的な炎症は根強いものも多く、一時的に菌が弱まっているだけと考えることもできます。まして、長期間保菌し、影響を受けていたのであればなおさらです。こうした方は、日常生活の習慣などとも深く密接に身体の状態がかかわってきます。慢性的に炎症が起こりやすい状態であり、胃や十二脂腸といった消化器官が弱っている状態にほかなりません。タバコのニコチンやアルコールは、こうした粘膜や消化器系に大きな悪い影響を与えます。酒とたばこ炎症を促進してしまう効果を持っているため、生活習慣を改善しないと、またすぐに菌が増殖して元の木阿弥に戻ってしまうでしょう。しっかりと除菌できたことが確認できたら、禁煙、アルコールは量を減らすなど、自分で節制していく努力によって再発を抑えることができるでしょう。



まとめ
簡単に薬を飲めばなおるというものでなく、ピロリ菌は慢性的な生活習慣病としての側面がつよいことがわかりますね。より重篤な疾患を患わないためにも、日々の生活も含めて改善していくことが本当の治療といえます。