ピロリ菌の脅威と影響は、テレビをはじめメディアで頻繁に紹介されているため、大分お茶の間に浸透してきています。そんなピロリ菌の治療には抗生物質を使用しますが、副作用などはないのでしょうか。

どんな副作用?

ピロリ菌の除菌には、胃酸を抑えるプロトボンプ阻害剤という薬、そしてピロリ菌自体を退治する抗菌薬を使用していきます。白い錠剤プロトポンプ阻害剤は、胃酸となる前駆物質に働きかけ、胃酸ができにくくすることで、余計な胃酸が産生されないようにして炎症をおさえます。また、ピロリ菌は胃の上皮粘膜の襞に生息していることがわかっており、そこを胃酸でカバーして繁殖しやすい状態になるのを防ぐ役割もあります。これを使用すると、当然ながら胃酸が減少しますが、これにより刺激物や消化がしにくくなることは想像にかたくありません。より、消化のよい食事を心がけていく必要があるでしょう。










一方、本命の抗菌薬では、一定数の人に抗菌薬についてアレルギーをもつ人がいることがわかっています。もちろんはじめに抗菌薬による治療を行う前に、血液検査や感受性のテストなどを実施しますが、体調やその分量が少ないことから結果が思うように出ず、いざ正式に使用して一定量が身体に入ってきたときに反応を起こす場合があります。湿疹この反応は、抗菌薬を使用する初回の治療で発現することがあり、アナフィラキシーショックと呼ばれています。全身の炎症反応に加え、発熱、腫脹などの身体変化、またひどい場合には血圧が維持できなくなり意識が消失します。こうなった場合にはすぐにアドレナリンを使用するなどの対処が必要ですから、初回の使用には気をつける必要があります。>しかし、初回で免疫反応が起こらなかった場合、2回目以降でアナフィラキシーとなる可能性はまずありませんから、無事なんともない場合は安心ですね。もうひとつ抗菌薬の治療で怖いのは、耐性菌の問題です。特に怠薬といって、薬を飲むのを忘れてしまったり、期間が開いてしまったりと、血液濃度が薄くなる期間が長くなる場合、ピロリ菌が死滅しないまま身体の中で抗菌薬と同居している状態がつづきます。



こうした状態が長ければ長いほど、いつかは必ず菌が耐性をもつことが研究にてわかっており、もし菌が耐性を持った場合には、その抗菌薬は効かなくなってしまいます。結果として別の抗菌薬を使用することになりますが、耐性をどんどんつけていくと、どの抗菌薬にも効かない多剤耐性菌となってしまうことがあり、これが別の人へ感染するリスクも含め、非常に危険です。このため、抗菌薬は決められた期間きっちりと最後までのみきることが大切です。



まとめ
単純に副作用といっても、軽いものから重いものまでさまざまです。場合によっては意識に影響があるものもあるのですね。薬物治療は強力な分、こうした一面ももっています。是非不安な部分はドクターと話し合って、クリアに納得してから開始していきましょう。