ピロリ菌が身体にとって悪さをするのは有名な話です。では、具体的に除菌はどのように実施していくのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

HOW TO ピロリ菌除菌

何科にいけばいい?

ピロリ菌感染を疑う場合は病院へかかることになります。具体的には、胃・十二指腸などの部位が感染原因であり、そこを検査したりできることから内科、より専門的な科があるのであれば、消火器内科を選択するのがベストでしょう。
ピロリ菌にやられている胃

除菌方法

ピロリ菌の除菌治療は、主に抗菌剤とPPIと呼ばれる胃酸分泌を制限する薬剤の併用によるものです。薬は口から内服薬として処方されたものを一定期間きっちりと摂取することで、ピロリ菌を完全に除菌していきます。PPIを処方するのは、ピロリ菌が粘膜のヒダに潜伏する性質を持ち、その環境を出来るだけ除去するためです。









失敗するとどうなる?

ピロリ菌除去は、9割強の割合でほとんどの患者さんが成功しています。しかし一方で、わずかながら除去に失敗してしまうケースがみられます。失敗してしまった場合、性急に身体の異変が現れるといったことはほとんどありません。今までと同じピロリ菌が感染した環境が続くと考えるとわかりやすいでしょう。しかし、ピロリ菌自体が治療薬である抗菌剤に耐性を持って医師待っているケースが考えられ、この場合には今後の治療において抗菌剤の効果が弱い、あるいはまったく効かなくなってしまう可能性があります。

失敗の原因は?

主な失敗の原因はいくつかに分けることが出来ます。ひとつは、治療薬の飲み忘れ、いわゆる怠薬というものです。抗菌薬は一般の風邪薬などよりも、はるかにピンポイントに細菌に効くように出来ています。しかし、その反面、一定の期間治療薬に暴露すると細菌は耐性を得るということも研究によりわかっています。怠薬をするということは、体内での薬の濃度が低い状態ですごすことになります。これは、ピロリ菌が死なない程度の濃度で耐性をつけるにはもってこいの環境なのです。

費用は?

以前は高額であり、効果を知っていても二の足を踏んでいる人も多いのが現状でした。しかし、2013年よりピロリ菌の治療が保険が適用となりました。3割負担の健康保険において、約5-6000円と安価に治療をすることができます。ウェルカムをするドクター

副作用は?

ピロリ菌の除菌には抗菌剤を使用します。抗菌剤とは細菌に特化して作られた治療薬であり威力が非常に高い反面、それに対してアレルギー反応が起こるとその反応も強いものとなります。ほとんどの方では問題なく使用できますが、どのような薬剤でも中には一定数アレルギーを引き起こす人がいるのが現状です。抗菌剤のアレルギーにより、過度な炎症、腫脹、出血などが起こる可能性はあるでしょう。ひどい場合には、アナフィラキシーショックといって血圧や脈拍が低下し、意識消失してしまうこともあります。また、PPIという胃酸分泌を抑制する薬剤を使用しているため、胃内の保護が低下する傾向にありますから、炎症が起こりやすいともいえるでしょう。とはいえ、使用前にはアレルギーテストをしっかりと実施した上での使用となりますから、今まで大丈夫だったのにいきなり、というケースはきわめて考えにくく、安全であるといえます。



まとめ
ピロリ菌の治療は意外と身近になりつつあることがわかりますね。胃内の状態が改善しがんの予防にもなりますから、ぜひとも実施できるとよいですね。