胃がんを引き起こす怖いピロリ菌ですが、そもそもどこからどのように感染するのでしょう。
ピロリ菌感染にまつわるあれこれをまとめてみました。

親のピロリ菌は、子に遺伝はしないが感染はする

これはイエスであり、ノーであるということもできます。まず、生まれたての胎児は、ピロリ菌を持っていません。これは、たとえ親がピロリ菌感染者であってもかわりません。はじめは誰しも未感染の状態なのです。ポイントは、ピロリ菌感染のほとんどは幼児期であるということです。大人と違って子どもはまだ充分な免疫システムが確立していません。この状態で、何らかの方法によりピロリ菌が口から入ると、子どもは容易に感染してしまうということです。ここでもっとも感染の疑われる行動として、口移しによる食物摂取があげられます。ハトのキス歯が生えそろっていない子どものために、母親が口の中で咀嚼し、それを口移しで食べさせていた時代が昔はありました。

今ではあまりみられないものの、高齢者に感染が多く、若年者に感染が減少している原因はこれが主であるといわれています。また、衛生環境も深く影響しています。充分に除菌されていない不衛生な飲み水や食事を口にする国では、ピロリ菌感染率が3倍近くも跳ね上がるという研究結果があります。逆に、母乳やせきやくしゃみなどでは感染しないことがわかります。感染するためには、ある程度菌を経口で取り入れる必要があることがわかるでしょう。また、大人になり免疫システムが確立してからの感染はほぼなく、キスなどでも感染はありません。気になる方は、血液検査キットでピロリ菌がわかるようなので試してみてはどうでしょう。









成人への初感染はまれ

上述したとおり、子どものほうがむしろ感染する確立は高いといえます。親からの口移しによって菌を摂取してしまうことを筆頭に、井戸水や不衛生な環境での長期にわたる生活などが感染リスクとなるのも、免疫システムが確立していない子どもならではということができます。また、子どもはよく外で遊びまわることも多く、汚い泥だらけの手で帰ってきたりということがよくあります。もちろんこれ自体は元気な証拠ですが、うっかり口の中に入ってしまうと、ピロリ菌をはじめとしたさまざまな感染症に感染するリスクが高まるのはいうまでもありません。怖いのは、ピロリ菌は感染しても自覚症状がないことです。長い時間をかけて胃内で炎症が拡大していき、やっと症状が現れるころにはかなりぼろぼろになっていることが多いのです。一方で、子どものころに適切に除菌を実施しておけば胃がんや消化管炎のリスクをかなり下げることができるといえるでしょう。泥んこ遊びをする子供



まとめ
大人もそうですが、特に子どもとの接触に気を配らなければいけないことがわかりますね。少しでもリスクや可能性があるなら、子どもさんの将来を考え、早期に対処することが非常に大切です。