胃がんの原因となるピロリ菌は、多くの人が保菌者として知られています。少しでも感染を予防するためにどのような対策が効果的なのでしょうか。順番に見ていきましょう。

ピロリ菌感染予防の効果的な対策

食事で予防するには?

普段の食事でピロリ菌を予防できるものはあるのでしょうか。最近の研究でいくつかの食品がピロリ菌の除菌効果があるのがわかってきました。ひとつは、ヨーグルトです。daf3c2d6f2988226e5dc9a74133d6dbd_sヨーグルトといえば乳酸菌を含んでおり、腸内環境を整える意味でも非常に重要な食べ物ということで調べています。このうち、いくらかの種類の菌では、摂取しなかったグループと比較して除菌効果が確認されています。ふたつめは、野菜です。野菜の中でも、ブロッコリー系の野菜を多く摂取した群の被験者で除菌を確認することができています。特にスプラウトと呼ばれる新芽が降下があることがわかっています。みっつめは、海藻類です。わかめ、こんぶ、もずくなどさまざまな海草がありますが、中でもぬめり成分のあるものが特に除菌効果があることがわかっています。










LG21は効く?

ヨーグルトがピロリ菌に対する除菌効果があるという研究結果がでているのは上の項でお話しました。中でも、LG21と呼ばれる特定の株を持つヨーグルトでのみ除菌効果が現れているのは特筆すべきところです。具体的な効果としては、LG21を摂取したピロリ菌感染者は、胃内の炎症が軽減し、実際にピロリ菌自体の数も減少する結果が出ています。一方で、他の株のヨーグルトを摂取した被験者では優位差はみられていません。

アルコールは控えるべき?

酒類
アルコールは直接ピロリ菌の活動に影響を与えるものではありません。しかし、アルコールを大量に摂取すると胃や十二脂腸といった消化器官を直接通ることもあり、表面の粘膜は簡単にただれて脱落してしまいます。ただえさえ炎症が慢性的に起こっているピロリ菌感染者では、アルコールによって積極的に炎症を後押ししてしまう結果となります。また、胃がんや潰瘍ができるかどうかは、損傷を受けた部位が多ければ多いほどその確率が高まるのはいうまでもありません。ピロリ菌感染者であれば、特に大量・強い度数のアルコールは積極的に避けるべきでしょう。

抑えるべきものは?塩?砂糖?

ピロリ菌に感染しているとわかったら、少しでも食事に気をつけて生きたいところです。一方で、生活習慣病として広く知れ渡っている多くの疾患では、塩や砂糖といったものを制限する傾向にあります。実はピロリ菌についても同様で、塩や砂糖は制限したほうがよいことがわかっています。研究によると、不摂生な食生活を続けていると、ピロリ菌が体内の免疫システムより強くなってしまい、広く増殖してしまうのです。こうしたトリガーとなる食事の中には、化学生成された食卓で使う塩や砂糖といった物質が上がっており、積極的に避ける対象であるといわれています。

蜂蜜はピロリ菌に効果がある?

一部の研究では、蜂蜜もピロリ菌に効果があるという結果が出ています。もともと蜂蜜の中には、炎症を抑える物質が含まれており、それが効果を示している可能性があるといわれています。しかし、蜂蜜を使用するのであれば少し気をつけなければいけないことがあります。それは、はちみつは生の状態では微量な毒物を含んでいるためです。これは意外に知られていないのですが、蜂蜜の中にはグラヤノトキシンと呼ばれる毒物が含まれていることがあります。この物質はやや強いもので、アレルギー体質であったり、肝臓の働きが弱っている方、また小さな子どもにはあまりおすすめができません。



まとめ
薬剤や専門治療だけでなく、日ごろの食生活からもピロリ菌に感染しない、または除菌効果のある食物は結構存在するのですね。ぜひ参考にしてみてください。